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有翅虫(ハネアリ)が宅内へ侵入した際の影響について

4月下旬から5月上旬には、ヤマトシロアリが一斉に群飛を行ないます。

ハネアリが家屋内へ飛来してきた際には、心配という事で問い合わせがあります。

ここではヤマトシロアリ(ハネアリ)の生態を考慮した、ご説明をさせていただきます。

ハネアリとして飛び立つ個体は、コロニー構成員のうち次世代の新王・新女王です。

ハネアリは屋外で一斉に群飛し、ペアとなった王・女王が地面に飛来して、湿った土の中へ潜り込みます。そして条件が整った、「わずかな」ペアがコロニーを創成して営巣をおこなっていきます。

「わずかな」と書きましたのは、ハネアリの生存・初期コロニー創設の為には、条件があるからです。

地中に潜り込んだハネアリ(王・女王)は、地中で水分をたくさん含んだ「ジュクジュク」したような腐った木や、その近くの土中で生存が可能です。

その後数週間、ハネアリ(王・女王)は飲まず食わずで耐えます。

産卵して・職蟻(働きアリ)が活動を開始してから、王・女王へ餌を与えます。

それが王・女王の初めての食事です。

生存できる条件・またハネアリの生命力が弱い(観察していると、職蟻・兵蟻よりとても弱いと印象を受けます)ので、ハネアリとして飛び出した王・女王は、その2~3%ほどしか生存できないと言われています。

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ヤマトシロアリ有翅虫の群飛。家屋内で群飛が発生した場合には要注意。

 さて、話が主題にもどりますが。

飛来した一部のハネアリは建物外壁面や室内に舞い降り、隙間から壁内などへ入り込んでしまいます。

入り込んだハネアリについてはご心配かと思います。

ハネアリは水が無い状態で、本来の到達地である(水分量が必要分満たされた)土の中以外の場所では、すぐに死んでしまいます。およそ2~3日生きられるかどうかです。

建物への食害については、ハネアリは餌を働きアリから口移しで食べさせてもらうので、いわゆるシロアリ食害行為(柱などがスカスカに「食べられて」しまう)は行いません。

 ハネアリにも顎はあります。

土の中に潜るために顎を使って、噛んで、かき分けてという行動は行ないます。

 建物室内に入り込んだハネアリは、地中に潜る行為として柱や梁、ボードに顎を使って噛む・潜るといいった行動をとると考えられます。

 しかしながら、職蟻(働き蟻)の場合は食べて、消化して活力をもって食べ進んでいきます。

一方ハネアリは、水を絶たれて死に絶えていく過程の行為です。その命も2、3日で途絶えてしまいます。

  ハネアリが噛むことによって、建物経年劣化へ与える影響はほとんどないと考えてよいと思います。

建物を解体した際に、ハネアリが2Fや屋根材に飛来し、潜り込んで加害されたと思われる症例は見たことがありません。

建築基準法はじめ、建物への防蟻処理は職蟻が地中からコンクリートを噛み破って住宅への侵入・被害を防ぐための処理になります。

注意すべきは床下(地中)であり、シロアリの職蟻(働き蟻)を防除する。ということになります。

 

 

ハネアリの建物内侵入が気になる場合には、入り込みそうな隙間や、目視した箇所に、市販のピレスロイド系スプレー剤が有効です。

吹き付けした場所へ寄せ付けない・逃げる忌避剤である事と(持続効果は約1週間弱?)、経皮毒性なので、吹き付けした箇所へハネアリが飛来して接触した際に薬剤が作用します。ハネアリの生存期間を短縮させる事ができます。

 

 

建物築年数が5年を超えている場合には、新築時のシロアリ消毒効果が途切れております。

家屋内からハネアリが群飛(一度に数百匹飛び立つ)した場合には、建物のシロアリ被害が疑われます。

床下の蟻害診断と、再防蟻工事をお勧めいたします。

 

プレスリリース   2022/04/28   khsc